青山学院大学 自己推薦入学者選抜(総合型選抜)

青山学院大学の自己推薦入学者選抜(総合型選抜) 実施学科・出願資格・日程・対策

青山学院大学の自己推薦入学者選抜について、2027年度の学科別の入学者選抜要項をもとに、実施する5学科の募集人員・出願資格(評定・英語資格)・提出書類・第二次審査の内容と日程、過去2年の志願者・合格者数、志望理由書と課題の対策をまとめました。

青山学院大学の「自己推薦入学者選抜」は、**書類審査(第一次)と、筆記試験・面接(第二次)**で合否が決まる総合型選抜です。大学全体で1つの試験があるのではなく、実施する学科ごとに要項が分かれていて、出願資格も、提出する課題も、第二次審査の筆記試験も学科によって違います。

この記事では、2026年7月に公表された2027年度(2027年4月入学)の学科別の入学者選抜要項をもとに、5つの学科の違いと対策のポイントを整理します。

執筆時点(2026年11月6日)で、2027年度入試はすでに選考の最中です。英米文学科・地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部は第二次審査が終わり、合格発表を待つ段階です。史学科・比較芸術学科は、11月13日に第一次審査の合格発表、11月23日に第二次審査が行われます。2028年度以降に受験する人は、実施学科や条件が変わることがあるので、次年度の入学者選抜要項が公表されたら必ず最新版を確認してください。2027年度の要項は、大学の「入学者選抜要項ダウンロード」ページに2026年7月に掲載されました。

入試の概要

項目 内容
第一次審査 書類審査
第二次審査 第一次審査の合格者のみ。筆記試験(小論文など)と面接。内容は学科ごとに異なる
出願の方法 「UCARO」に会員登録してWeb出願登録 → 入学検定料の支払い → 出願書類を郵送(必着)
第二次審査の出願 第一次審査の合格後に、あらためてWeb出願登録と検定料の支払いが必要
入学検定料 第一次審査15,000円、第二次審査20,000円(このほか、出願ごとにWeb出願システム利用料1,400円)
志望理由などの書類 手書き(自筆)で作成。人工知能(AI)による自動生成や、他人が書いたものは禁止

すべての学科で、Web出願の際に「主体性・多様性・協働性に関する経験」などの入力が求められます。要項では、これは得点化しないと明記されています。

注意したいのは、第二次審査にも出願手続があることです。第一次審査の合格発表から第二次審査のWeb出願締切までは3日あまりしかありません。合格したらすぐに手続できるよう、日程を家族とも共有しておきましょう。

実施学部・学科と比較表(2027年度)

2027年度に自己推薦入学者選抜を行ったのは、次の3学部5学科です。

学部・学科 募集人員 主な出願資格 第二次審査 試験会場
文学部 英米文学科(英語資格取得者が対象) 約30名 所定の英語資格(下の表)。評定の基準なし。既卒者も出願可 小論文(英文を読み、英語と日本語の両方で書く)、面接(英語および日本語) 青山キャンパス
文学部 史学科 約13名 2027年3月に高校卒業見込み、第一志望。評定平均4.0以上、または3.8以上かつ世界史探究か日本史探究の評定平均4.5以上 筆記試験(論述)、面接 青山キャンパス
文学部 比較芸術学科 約8名 2027年3月に高校卒業見込み、第一志望。評定平均4.0以上、または3.8以上かつ外国語4.2以上かつ世界史探究か日本史探究4.2以上 筆記試験(芸術に関する基礎知識)、面接 青山キャンパス
地球社会共生学部 地球社会共生学科 約21名 第一志望。「自己アピールできる分野」A〜Gのいずれかに該当し、分野ごとの英語資格を満たす(A〜Fは評定平均3.8以上も必要) 筆記試験(小論文)、面接 相模原キャンパス
コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 約12名 第一志望。社会人経験者、または1年以上の継続的な社会貢献活動歴があり評定平均3.5以上の高校卒業(見込み)者 筆記試験(小論文)、面接 相模原キャンパス

※評定平均は、要項の「全体の学習成績の状況」などを指します。史学科・比較芸術学科・地球社会共生学部(分野A〜F)は日本の高校(または文部科学大臣が認定・指定した在外教育施設)を2027年3月に卒業・修了見込みの人が対象で、史学科・比較芸術学科では日本にあるインターナショナルスクールの卒業見込み者や高卒認定試験の合格者は対象外とされています。

英米文学科の英語資格

次のどれか1つを満たしていることが条件です。

英語資格 基準
実用英語技能検定 準1級以上
TOEIC Listening & Reading 730点以上、かつSpeaking 130点以上、Writing 140点以上
TOEFL iBT 68点以上(2026年1月21日以降の試験は3.5以上)
TEAP(4技能) 300点以上
IELTS(Academic Module) オーバーオール・バンド・スコア5.5以上

TOEIC・TOEFL iBT・IELTSは、出願書類提出期間の末日から2年以内に取得したものが有効です。TEAPは2025年度第1回以降のテストが対象です。TOEIC IPやTOEFL ITPなどの団体受験は使えません。

地球社会共生学部の「自己アピールできる分野」と英語資格

地球社会共生学部は、まず次の7つの分野から1つを選んで出願します。分野A〜Fは高校在籍中の活動が対象で、自分の名前が載っている公的な資料で実績を証明する必要があります。

分野 内容
A 英語資格試験の高得点者
B 海外留学経験者(高校在籍中の交換留学で、3か月以上1年半未満)
C ボランティア活動の実績がある人(公的な資料で内容・期間を証明できること)
D スポーツに優れた人(全国レベルの大会での入賞・出場など)
E 文化・芸術分野に優れた人(全国レベルの大会での入賞・出場など)
F 実用数学技能検定 準1級以上の取得者
G 海外就学経験者(日本国籍があり、海外の高校に2年以上継続して在籍したなど、要項の条件を満たす人)

分野ごとに必要な評定と英語資格の基準は次のとおりです(英語資格はどれか1つ)。

条件 分野A 分野B〜F 分野G
評定平均 3.8以上 3.8以上 条件なし
実用英語技能検定 準1級以上 2級以上 準1級以上
TOEFL iBT 68点以上(2026年1月21日以降の試験は4.0以上) 54点以上(同3.5以上) 68点以上(同4.0以上)
TOEIC L&R 700点以上かつS&W 270点以上 L&R 550点以上かつS&W 240点以上 L&R 700点以上かつS&W 270点以上
IELTS(Academic) 5.5以上 4.5以上 5.5以上
TEAP(4技能) 300点以上 250点以上 300点以上
GTEC(CBTタイプ、検定版) 1190点以上 1100点以上 1190点以上

英検は、上の級の受験でCSEスコアが基準(準1級相当は2304点、2級相当は1980点)を満たしていれば、合否を問わず認められます。分野D・Eで出願する場合は、大会の主催者や参加者数など、全国レベルの大会であることを示す資料を所定の用紙に貼って提出しなければなりません。資料がないと出願資格がないものとして扱われます。

2027年度入試の日程

日程は2つのグループに分かれています。

内容 英米文学科・地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部 史学科・比較芸術学科
第一次 Web出願登録 2026年8月27日〜9月10日 23:59 2026年9月17日〜10月1日 23:59
第一次 出願書類の提出 9月7日〜9月10日(郵送必着) 9月28日〜10月1日(郵送必着)
受験番号の開示 10月14日 11月11日
第一次 合格発表 10月16日 13:00から 11月13日 13:00から
第二次 Web出願登録 10月16日 13:00〜10月19日 23:59 11月13日 13:00〜11月16日 23:59
第二次 受験票の開示 10月21日 11月18日
第二次 試験日 10月24日(土) 11月23日(月・祝)
最終合格発表 11月16日 13:00から 12月1日 13:00から
入学手続書類の提出締切 11月30日(郵送必着) 12月11日(郵送必着)

出願書類は角2封筒に所定の貼付用紙を貼り、簡易書留などで郵送します。Web出願登録と検定料の支払いだけでは出願は完了せず、書類が期間内に大学に届いた時点で出願完了です。

出願資格

学科ごとの条件は比較表のとおりです。ポイントを整理します。

提出書類

全員が、調査書(またはそれに代わる証明書)を提出します。そのほかの主な書類は次のとおりです。

学科 主な提出書類
英米文学科 入学願書(「本学志望の動機・理由、入学後の計画・目標」を自筆で記入する欄がある)、英語資格の証明書(紙の原本)
史学科 志望動機・理由書(志望理由・入学後の学習計画・目標など、1,200字以内、手書き)、入学者選抜課題(2,000字以内、自筆)
比較芸術学科 志望動機・理由書(1,500字以内、手書き)、入学者選抜課題(2,000字以内、自筆)
地球社会共生学部 志望動機・理由書(これまでの取り組みと実績、得られた学びを説明する自己アピールと、入学後の学習計画・目標、1,600字以内、自筆)、英語資格の証明書と表紙、原本返却確認書。分野C〜Eは証明資料貼付用紙、分野Fは数検の合格証明書、分野Gは卒業証明書・成績証明書・日本国籍を証明する書類など
コミュニティ人間科学部 志望動機・理由書(1,200字以内、手書き。職務経験または社会貢献活動との関連に必ず触れる)、入学者選抜課題(2,000字以内、自筆)と参照文献。高校生は活動の内容・期間がわかる資料(用紙を含めて最大10枚)と、団体がある場合はその団体による活動証明書。社会人は在職証明書と職業内容を説明する文書

「入学者選抜課題」は要項で発表される

史学科・比較芸術学科・コミュニティ人間科学部では、要項に載っている課題について2,000字以内の文章を書いて出願します。2027年度の課題は次のような内容でした(要約)。

課題は年度ごとに変わるので、過去の課題で書いた文章をそのまま使うことはできません。

英語資格の証明書の注意点

英語資格の証明書は、原則として紙の原本を提出します。英検は「紙の証明書」のみで、デジタル証明書を印刷したものは使えません。TOEFL iBTのスコアを大学へ直送する場合、大学に届くまで3〜6週間ほどかかることがあると要項に書かれています。原本が1部しかない場合は、原本照合や原本返却の手続ができます。

選考内容

第一次審査(書類審査)

提出書類による審査です。要項では、選考の結果、学力などが大学の求める水準に満たない場合は、合格者数が募集人員を下回ることがあるとされています。

第二次審査(筆記試験・面接)

第一次審査の合格者が受験します。筆記試験と面接の両方を受ける必要があります。

学科 筆記試験 面接
英米文学科 小論文(英語および日本語):英文を読み、英語と日本語の両方で文章を書く(60分) 英語および日本語
史学科 論述:「歴史に関する史料」か「歴史に関する英文」のどちらかを選んで答える小論文形式(90分) あり
比較芸術学科 芸術に関する基礎知識(90分) あり
地球社会共生学部 小論文(90分) あり
コミュニティ人間科学部 小論文(60分) あり

大学は前年度(2026年度入試)の筆記試験について、問題と出題意図を公表しています。出題意図の要点は次のとおりです。

試験問題そのものは、大学の「過去の入学者選抜試験結果・参考データ」のページから確認できます。

志願者数・合格者数

大学が公表している入学者選抜結果から、自己推薦の数字を抜き出しました。倍率は第一次審査の志願者数を第二次審査の合格者数(最終合格者)で割った値です。2027年度入試の結果は、執筆時点ではまだ公表されていません。

2026年度入試

学科 第一次 志願者 第一次 合格者 第二次 志願者 最終合格者 入学者 倍率
英米文学科 250 91 79 73 42 約3.4倍
史学科 52 26 24 14 8 約3.7倍
比較芸術学科 44 13 11 6 4 約7.3倍
地球社会共生学部 220 95 74 54 24 約4.1倍
コミュニティ人間科学部 108 30 29 26 24 約4.2倍
合計 674 255 217 173 102 約3.9倍

2025年度入試

学科 第一次 志願者 第一次 合格者 第二次 志願者 最終合格者 入学者 倍率
英米文学科 227 85 65 57 23 約4.0倍
史学科 52 26 26 14 12 約3.7倍
比較芸術学科 31 16 15 7 6 約4.4倍
地球社会共生学部 191 98 78 52 29 約3.7倍
コミュニティ人間科学部 82 39 34 28 18 約2.9倍
合計 583 264 218 158 88 約3.7倍

数字から分かることは次の3点です。

また、第一次合格者と第二次審査の志願者の数が一致しない学科があり、最終合格者と入学者の差が大きい学科もあります。とくに英米文学科は第一志望を出願の条件にしていない学科で、2026年度は最終合格者73人に対して入学者は42人でした。

合格に向けた対策のポイント

1. 出願資格から逆算して学科を決める

この入試は、学科ごとに出願資格がはっきり決まっています。評定(史学科・比較芸術学科は4.0、地球社会共生学部は3.8、コミュニティ人間科学部は3.5)、英語資格、活動実績のうち、自分がどれを満たせるのかを高校2年のうちに確認しましょう。とくに評定は、出願の直前になってから上げることができない条件です。史学科・比較芸術学科を考えている人は、世界史探究・日本史探究(比較芸術学科は外国語も)の評定を意識しておくと、選択肢が広がります。

2. 英語資格は「高校3年の夏前」に取り終える

英米文学科と地球社会共生学部は、英語資格が出願の前提です。英語資格は受験日から結果が出るまで時間がかかり、TOEFL iBTのスコア直送には3〜6週間かかることもあります。出願が9月上旬に締め切られることを考えると、高校3年の6月ごろまでに基準を満たすスコアを取る計画が安全です。英検は紙の合格証明書が必要なので、手元にあるかも確認しておきましょう。

3. コミュニティ人間科学部は「1年以上の活動」を早く始める

高校生が出願するには、出願時点で1年以上続けた社会貢献活動が必要で、学校の部活動や探究の授業は数えられません。9月上旬の出願に間に合わせるには、遅くとも高校2年の夏から秋には地域の活動を始めておく必要があります。活動の期間や頻度を示す資料も求められるので、参加記録や団体の案内などを残しておきましょう。この活動は、志望動機・理由書や入学者選抜課題の題材にもなります。

4. 志望動機・理由書は「これまで → 学科で学ぶこと → その先」で組み立てる

どの学科も、志望理由と入学後の学習計画・目標をセットで書きます。私たちは次の順で組み立てることをすすめています。

  1. きっかけと取り組み:その分野に関心を持った具体的な経験と、自分で調べたり活動したりしてきたこと
  2. 学科で学びたいこと:その学科のどの分野・授業で、何を深めたいのか
  3. 入学後の計画と目標:4年間でどう学び、どんな力を身につけたいのか

地球社会共生学部では、選んだ「自己アピールできる分野」の実績と、そこで得た学びを中心にすえると、書類全体に一本の筋が通ります。コミュニティ人間科学部では、社会貢献活動(社会人は職務経験)との関連に必ず触れるよう指定されているので、忘れないようにしましょう。

5. 手書きで仕上げる時間を見込む

志望動機・理由書や課題は、手書き(自筆)で提出します。AIによる自動生成や他人による作成も禁止されています。構成を考えて下書きを何度も直し、最後に清書するまでには思った以上に時間がかかります。2,000字の課題と1,000字台の理由書を両方書く学科では、清書だけで数日を見ておきましょう。

6. 入学者選抜課題は「文献を読んで書く」準備をしておく

課題は要項で初めて分かりますが、2027年度は史学科で文献の参照が必須、コミュニティ人間科学部でも参照文献の記入が求められていました。日ごろから志望分野の本を読み、著者・書名・出版社・刊行年を記録しておくと、課題が出てから慌てずにすみます。比較芸術学科を目指す人は、美術・音楽・演劇映像のうち自分の関心分野で、具体的な作品について語れるようにしておきましょう。

7. 第二次審査の筆記は出題意図に合わせて練習する

第二次審査は、第一次合格の発表から試験まで8〜10日ほどしかありません。書類を出したら、すぐに筆記試験の練習を始めましょう。大学が公表している前年度の問題と出題意図を読み、英米文学科なら英文を要約して英語で意見を書く練習、史学科なら史料や英文を読んで論述する練習、地球社会共生学部とコミュニティ人間科学部なら図表を読み取って要約・意見を書く練習、というように学科に合わせて準備します。面接では提出書類の内容が手がかりになるので、書いたことを自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。英米文学科の面接は英語と日本語で行われます。

準備のスケジュール例(高校3年生で出願する場合)

時期 やること
高校1〜2年 評定を安定させる。英語資格の受験を始める。コミュニティ人間科学部志望なら地域の活動を始め、記録を残す
高校2年の冬 志望学科を決め、出願資格を満たせるか確認する。志望分野の本を読み、文献の記録をつける
高校3年の4〜6月 英語資格のスコアを確定させる。志望動機・理由書の構成づくりと下書き。地球社会共生学部の分野C〜Eは証明資料を集める
7月 入学者選抜要項の公表を確認し、課題と書類を読み込む。UCAROに会員登録しておく
8月 課題と理由書の書き直し、清書。高校に調査書の発行を依頼する
9月上旬 英米文学科・地球社会共生学部・コミュニティ人間科学部の出願(書類は9月10日必着)
9月下旬〜10月1日 史学科・比較芸術学科の出願(書類は10月1日必着)
出願後〜第二次審査 筆記試験(小論文・論述・基礎知識)と面接の練習

日付は2027年度入試のものです。次年度は日程が変わる可能性があるので、要項が公表されたら必ず確認してください。

参照した資料

入試の内容は年度ごとに変わります。出願の前に、必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。