国際基督教大学(ICU) 総合型選抜〈4月入学専願〉(英語外部試験利用・理数探究利用・IBDP利用)

国際基督教大学(ICU)の総合型選抜〈4月入学専願〉 3つの区分・日程・出願書類・2028年度からの変更・対策

ICUの総合型選抜〈4月入学専願〉について、2027年度入学試験要項をもとに英語外部試験利用・理数探究利用・IBDP利用の違い、日程・出願資格・提出書類・面接と、2028年度からの「探究学習利用」への再編、志願者・合格者数、対策をまとめました。

国際基督教大学(ICU)の総合型選抜〈4月入学専願〉は、**書類選考(第一次)と対面の個人面接(第二次)**で合否が決まる入試です。学力試験はありません。高校の成績、推薦状、自己活動歴と自己分析に加えて、区分ごとに「小論文と英語のスコア」「理数の研究成果」「IBの課題論文(Extended Essay)」のいずれかを提出し、リベラルアーツを学ぶのにふさわしい人かどうかを見られます。合格したら必ず入学する「専願」の入試です。

この記事では、2026年に実施された2027年度入試の入学試験要項(2026年6月公開)をもとに、しくみと対策のポイントを整理します。そのうえで、2028年度入試から区分が再編されることが大学から公表されています。 いま高校1・2年生の人は、2027年度の内容をそのまま当てはめず、「2028年度以降の変更」の章を必ず読んでください。

3つの区分の違い

2027年度入試では、次の3つの区分から1つを選んで出願します。複数の区分に出願することはできません。

区分 どんな人向けか 区分ならではの提出物 面接
英語外部試験利用 評定(学習成績の状況)が4.1以上で、英語の資格・検定試験のスコアを持っている人 小論文(1,500字以内)、英語の能力を証明する書類 日本語の個人面接
理数探究利用 評定が4.0以上で、数学または理科の評定が4.2以上あり、自然科学の研究に取り組んできた人 研究成果の要約(1,500字以内)。英語スコアは不要 日本語の個人面接。研究成果のプレゼン(10分)を含む
IBDP利用 国際バカロレア・ディプロマ(IBDP)を取得する(した)人で、「日本語A」を履修している人 課題論文(Extended Essay)の要約(日本語1,500字以内)、IBの成績 日本語と英語の個人面接。課題論文のプレゼン(日本語10分)を含む

どの区分で入学しても、卒業要件上の必修語学は「英語」(リベラルアーツ英語プログラム)になります。

入試の概要(2027年度)

項目 英語外部試験利用 理数探究利用 IBDP利用
募集人員 60名 5名 10名
第一次選考 書類選考 書類選考 書類選考
第二次選考 対面の個人面接(日本語) 対面の個人面接(日本語・プレゼン含む) 対面の個人面接(日本語と英語・プレゼン含む)
成績の条件 評定4.1以上 評定4.0以上かつ数学または理科4.2以上 IBDPの取得(見込み)
英語スコア 必須 不要 必須(English A履修者は任意)

2027年度入試の日程

時期 内容
2026年6月1日 入学試験要項の公開
8月14日 受験上の合理的配慮の申請期限(該当者のみ。診断書は必着)
9月1日 10:00〜9月8日 23:59 Web出願期間(入学検定料の支払いもこの期間内)
9月9日 23:59 出願書類の提出期限(国内からの郵送は当日消印有効、簡易書留・速達)。英語スコアのアップロード・直送も同じ期限
10月1日 受験票の印刷開始(予定)
10月9日 11:00 第一次選考の結果通知(Web出願システム)
10月12日 23:59 プレゼン資料の提出期限(理数探究利用・IBDP利用の第一次合格者のみ)
10月17日 第二次選考(対面の個人面接、ICU本館)。終了が18時ごろになる場合あり
11月2日 11:00 合格発表(Web出願システム)
11月11日 入学手続の締切

Web出願期間は8日間しかありません。書類はその前にすべて仕上げておく必要があります。また、外国の教育制度で学んだ人が英語外部試験利用・理数探究利用に出願する場合は、出願期間の前に「成績確認申請」が必要です。

第一次選考の結果通知から面接までは8日間です。理数探究利用・IBDP利用では、その間の10月12日までにプレゼン資料を提出しなければならないので、実質的な準備期間はさらに短くなります。

出願資格

3つの区分に共通する条件は次のとおりです。

そのうえで、区分ごとに次の条件があります。

区分 学歴の条件(2027年度) 成績などの条件
英語外部試験利用 高校・中等教育学校を2024年4月1日〜2027年3月31日に卒業(見込み)など 出願時の評定(学習成績の状況)が4.1以上
理数探究利用 同上 出願時の評定が4.0以上で、かつ数学または理科の評定が4.2以上
IBDP利用 2024年4月1日〜2027年3月31日にIBディプロマを取得(見込み) IBDPで「日本語A」(HL・SLどちらでも可)を履修済みまたは履修中

提出書類

書類 英語外部試験利用 理数探究利用 IBDP利用
入学願書①(Web出願システムで入力・印刷) 〇 〇 〇
入学願書②(志望理由など3つの問いに手書きで回答) 〇 〇 〇
高校の調査書(または直近3学年分の成績証明書) 〇 〇 〇
IB Diploma Final Grades または Predicted Grades IB在籍者のみ IB在籍者のみ 〇
推薦状2通 〇 〇 〇
学校内外における自己活動歴と自己分析(800字以内) 〇 〇 〇(CASがテーマ)
小論文(1,500字以内) 〇 ― ―
研究成果の要約(1,500字以内、図表・写真A4片面1枚まで別添可) ― 〇 ―
課題論文(Extended Essay)の内容と成果(見込み)の要約(日本語1,500字以内、図表・写真A4片面1枚まで別添可) ― ― 〇
英語の能力を証明する書類 〇 ― 〇(English A履修者は任意)

主な書類のポイント

英語の能力を証明する書類

使える試験は、IELTS(Academic Module)、TOEFL iBT(Home Edition可)、英検(4技能のCSEスコアがあり、合格したもの)、Cambridge English Qualifications(合格したもの)、GTEC(4技能版)の5つです。2027年度入試では、2024年10月1日以降に受験したスコアが有効でした。

生成AIの扱い

要項には、出願書類の作成に生成AIを使ってはいけないと明記されています。志望理由も小論文も、自分の言葉で書いてください。

選考内容

第一次選考(書類)

提出書類によって選考します。大学は、高校の成績、自己活動歴と自己分析、推薦状に加えて、区分ごとの提出物(英語力と小論文、研究成果の要約、課題論文の要約)を通じて、学業、課外活動、芸術、スポーツ、奉仕活動などを幅広く見るとしています。

第二次選考(対面の個人面接)

第一次選考の合格者に、ICUのキャンパスで個人面接を行います。最終的な合否は、面接の結果と出願書類などを総合的に考えて決まります。

区分 面接の内容
英語外部試験利用 日本語による個人面接
理数探究利用 日本語による個人面接。研究成果についての10分間のプレゼンテーション、質疑応答、面接についての振り返りコメントの記入(日本語)を含む
IBDP利用 日本語と英語による個人面接。課題論文についての10分間のプレゼンテーション(日本語)、質疑応答、振り返りコメントの記入(日本語)を含む

プレゼンテーションがある2区分の決まりは次のとおりです。

2028年度以降の変更(いまの高校1・2年生は必読)

大学は2026年3月26日に、2028年度入試から総合型選抜〈4月入学専願〉の選抜区分・募集人員・出願資格・出願書類・選考方法を変えると公表しました。公表資料で確認できる内容は次のとおりです。

区分と募集人員

2027年度まで 2028年度から 募集人員(2028年度)
英語外部試験利用(60名) 「探究学習利用」に変更 60名(統合後の合計)
理数探究利用(5名) 「探究学習利用」に統合 (同上)
IBDP利用(10名) 継続 10名

探究学習利用のしくみ(公表資料より)

項目 内容
学歴の条件(2028年度入学) 高校・中等教育学校を2025年4月1日〜2028年3月31日に卒業(見込み)など
成績の条件 次のどちらかを満たすこと。a) 評定4.1以上、b) 研究成果の要約で「理数探究基礎」「理数探究」を選ぶ場合は、評定4.0以上かつ数学または理科の評定4.2以上
出願書類 入学願書、調査書、推薦状2通、探究学習で主体的に取り組んだ課題または自主研究の研究成果の要約、自己活動歴とその自己分析、英語の能力を証明する書類、校外の活動やコンテストでの実績を証明する書類(任意)
対象となる探究学習 古典探究、地理探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎、理数探究、総合的な探究の時間(または自主研究)
推薦状 2通のうち1通は、研究成果の要約に関わる科目を担当した先生であることが望ましい
英語の書類 IELTS、TOEFL iBT、英検、Cambridge English Qualifications、GTEC(4技能版)のいずれか。2年以内に受験したスコア
第一次選考 書類選考
第二次選考 探究学習または自主研究の成果についての10分間のプレゼンテーションを含む、対面の個人面接

一方のIBDP利用について、公表資料で示されているのは区分の継続と募集人員10名です。出願資格や書類などの詳細は、2028年度の入学試験要項で確認してください。

読者への影響

公表資料から読み取れる、受験生にとっての大きな変化は次の4つです。

  1. 全員が「探究の成果」で勝負する入試になります。 2027年度の英語外部試験利用にあった小論文は、2028年度の書類一覧にはありません。代わりに、探究学習や自主研究の成果の要約と、それについての10分間のプレゼンが全員に課されます。高校での探究を、いまから「成果としてまとめられる形」で進めておくことが欠かせません。
  2. 理系の研究をしてきた人も英語スコアが必要になります。 2027年度の理数探究利用では英語スコアは不要でしたが、統合後の探究学習利用では英語の書類が出願書類に入っています。
  3. 募集人員の合計は減ります。 英語外部試験利用60名と理数探究利用5名の合計65名が、探究学習利用60名になります。
  4. 文系の探究でも出願できます。 古典探究、地理・日本史・世界史探究、総合的な探究の時間なども対象です。評定の条件は、理数探究を選ぶかどうかで変わります。

大学は「選抜方法や出願の詳細は、必ず出願する年度の入学試験要項を確認すること、変更の可能性がある」としています。2028年度の入学試験要項が公開されたら、とくに次の点を確認しましょう。

参考までに、2027年度の要項は2026年6月1日に大学のサイトで公開されました。

志願者数・合格者数

大学の「入学者選抜結果」のページに掲載されている数字です。倍率は志願者数を合格者数で割った値です。

入試年度 区分 志願者 合格者 倍率
2027年度 英語外部試験利用 333 81 約4.1倍
2027年度 理数探究利用 4 1 4.0倍
2027年度 IBDP利用 29 4 約7.3倍
2026年度 英語外部試験利用 365 74 約4.9倍
2026年度 理数探究利用 6 0 ―(合格者なし)
2026年度 IBDP利用 35 7 5.0倍

2025年度は区分別の数字が掲載されておらず、総合型選抜全体で志願者367人、合格者117人(約3.1倍)でした。第一次選考の合格者数は、このページには掲載されていません。

ここから分かるのは次の2点です。

英語スコアの目安

大学は、総合型選抜〈4月入学専願〉英語外部試験利用の合格者の平均スコア(2022〜2026年度の5年間)を公表しています。最低点ではなく、あくまで平均です。

試験 合格者平均
英検 準1級(CSEスコア2347)
IELTS 6.2
TOEFL iBT 87.7
GTEC 1144.4
Cambridge English Qualifications 168.7

合格に向けた対策のポイント

1. 「なぜリベラルアーツか」「なぜICUか」を自分の経験から語れるようにする

ICUは、文系・理系にとらわれない幅広い知的好奇心や、多様な背景を持つ人と対話する力を持つ学生を求めると明言しています。入学願書②の3つの問いは、すべてこの点につながっています。「やりたいことが一つに決まっている」ことより、「一つの関心から、ほかの分野にも学びを広げたい理由」を、自分の経験をもとに説明できることが大切です。ICUのメジャー制度や授業を実際に調べて、入学後に何をどう組み合わせて学びたいかを具体的にしましょう。

2. 評定の条件は高校1年から意識する

英語外部試験利用は評定4.1以上、理数探究利用は4.0以上かつ数学か理科で4.2以上が必要でした。2028年度の探究学習利用も、公表資料では同じ水準の条件が示されています。評定は高校1年からの積み重ねで決まるので、出願を考えているなら、定期テストの段階から条件を意識しておきましょう。

3. 探究の成果を「1,500字+10分のプレゼン」にできる形で残す

2028年度からは、探究学習や自主研究の成果の要約とプレゼンが全員に課されます。私たちは、次の流れで記録を残しておくことをすすめています。

  1. 問い:何を疑問に思い、なぜそれを調べようとしたのか
  2. 方法:何を、どんな手順で調べたり試したりしたのか
  3. 結果:何が分かったのか(データ・資料)
  4. 考察と次の問い:結果をどう解釈し、何がまだ分かっていないのか

④の「次の問い」が、プレゼン後半で求められる「大学での学びにどうつなげるか」の材料になります。プレゼン資料はスライド3枚以内と決まっていたので、要点を絞って図表で見せる練習もしておきましょう。

4. 英語スコアは早めに取り、直送の手配まで済ませる

最低点の指定はありませんが、合格者平均は英検準1級、IELTS 6.2、TOEFL iBT 87.7ほどです。スコアは書類の一部として評価されるので、高校2年のうちに一度受けておくと、改善の時間がとれます。IELTSとTOEFL iBTは大学への直送が必要です。出願期間が短いので、直送は出願期間の前にでも手配しておきましょう。

5. 推薦状は「あなたをよく知る人」に早めに頼む

推薦状も選考の材料です。大学は、受験生の資質をはっきり書ける人に頼むのがよいとしています。2028年度の探究学習利用では、1通は研究成果に関わる科目の先生が望ましいとされています。探究を指導してくれた先生とは、日ごろから進み具合を共有しておきましょう。推薦状は年度ごとの所定用紙を使うので、要項が公開されたらすぐに渡せるよう準備しておきます。

6. 書類は手書きと「自分の言葉」を前提に準備する

入学願書②は手書きで、修正液・修正テープは使えません。下書きを何度も直してから清書する時間を見込んでおきましょう。生成AIの使用は禁止されています。塾や先生の助言を受けるのはかまいませんが、文章は自分で考え、自分で書くことが前提です。面接では書類の内容を深く聞かれるので、自分の言葉で書いた書類ほど、面接でも説得力のある話ができます。

7. 面接は「書類の深掘り」と「対面」に備える

第二次選考は対面の個人面接です。書類に書いた経験や考えについて「なぜ」「具体的には」と聞かれても答えられるように準備します。IBDP利用は日本語と英語の両方で面接があります。第一次選考の結果から面接までは約1週間しかないので、書類を出したらすぐに模擬面接を始めましょう。

準備のスケジュール例(2028年度入試・高校3年生で出願する場合)

2028年度の日程はまだ公表されていません。下の表は、2027年度入試の日程を参考にした目安です。

時期 やること
高校1〜2年 評定を条件以上に保つ。探究学習や自主研究のテーマを決め、記録・データを残す。英語の資格・検定試験を受け始める
高校2年の冬 ICUのカリキュラムを調べ、志望理由の材料を整理する。探究の成果をまとめ始める
高校3年の4〜6月 英語スコアを確定させる。研究成果の要約・自己活動歴の下書き。推薦者に依頼の相談をする
要項の公開後(2027年度版は6月) 要項と所定用紙で設問・字数・日程を確認。入学願書②・要約・自己活動歴を書き直す。推薦状の用紙を渡す
8月 書類を仕上げる。調査書の発行を高校に依頼。IELTS・TOEFLの直送を手配
9月上旬 Web出願と書類の郵送(短い期間で締め切られるので注意)。模擬面接・プレゼン練習を始める
10月 第一次選考の結果通知後、プレゼン資料の提出と面接の最終対策

奨学金について

2027年度の要項では、出願と同時に応募できる給付奨学金として「ICU Peace Bell 奨学金」と「ICU トーチリレー High Endeavor 奨学金」が案内されていました。また、東京・神奈川・埼玉・千葉以外の高校出身者が対象の「ICU Cherry Blossom 奨学金」は出願前に応募する奨学金で、総合型選抜〈4月入学専願〉で応募する場合は6月中旬予定の第1次募集だけが対象とされていました。応募の時期が早いので、経済的な支援を考えている人は、大学の奨学金のページで最新の募集要項を早めに確認してください。

参照した資料

入試の内容は年度ごとに変わります。出願の前に、必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。