慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部 AO入試

慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)のAO入試 日程・出願書類・対策

慶應SFCのAO入試について、2026夏秋AOの募集要項をもとに日程・出願資格・提出書類・面接と、合格者数の推移、志望理由書と面接の対策をまとめました。

慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)にある総合政策学部と環境情報学部は、1990年の開設当初からAO入試を続けてきた、総合型選抜の代表的な大学です。筆記試験はなく、書類(1次選考)と面接(2次選考)だけで合否が決まります。

この記事では、2026年に実施された「2026夏秋AO」(2027年4月・9月入学)の募集要項をもとに、入試のしくみと対策のポイントを整理します。次の夏秋AOの募集要項は例年5月中旬に公開されるので、出願前には必ず最新版を確認してください。

入試の概要

項目 内容
対象学部 総合政策学部、環境情報学部(同じ期に両学部へ併願はできない)
募集人員 各学部150名(春AO・夏秋AOなど、その年度に行うAO入試の合計)
1次選考 提出書類による選考
2次選考 面接(1人30分程度、日本語または英語、湘南藤沢キャンパスで実施)
最終合否 1次選考の評価とあわせて総合的に判定
入学検定料 35,000円

高校3年生(卒業見込み)が4月入学を目指す場合、出願できるのは夏秋AOです。春AOは、高校を卒業見込みの人が翌年4月入学を希望して出願することができないので注意してください。

2026夏秋AOの日程

時期 内容
2026年5月中旬 募集要項の公開
8月3日〜9月1日 15:00 オンライン申請
8月3日〜9月2日 22:59 入学検定料の支払い
9月1日〜9月2日(消印有効) 調査書などの郵送
10月8日 11:00 1次選考の合格発表
10月17日・18日のいずれか 2次選考(面接):総合政策学部
10月24日・25日のいずれか 2次選考(面接):環境情報学部
11月2日 11:00 最終合格発表
12月1日〜2027年1月7日(予定) 入学手続(4月入学)

オンライン申請は8月から始まりますが、後で説明する「志願者評価」は他の人に依頼して入力してもらう必要があり、それが終わらないと出願が完了しません。書類は夏休み前までに一通り形にしておくくらいの計画が安全です。

出願資格

主な条件は次のとおりです。

評定平均や英語資格のスコアなどの数値基準はありません。その分、書類の中身で「なぜSFCなのか」を示す必要があります。

提出する書類

オンラインで入力・アップロードするものと、郵送するものがあります。中心になるのは次の5つです。

書類 内容と分量
志望理由・入学後の学習計画・自己アピール ①文章(日本語2,000字以内)と、②自由記述(A4で2枚以内のPDF、表現方法は自由)の2つ
活動報告 中学校卒業以降の活動や成果を入力。最もアピールしたいものに印を付け、それを選んだ理由を200字以内で説明
任意提出資料 活動の成果や能力を示す資料を最大10点(PDF・JPEG・動画)。1点ごとに200字以内の説明を付ける
志願者評価 志願者をよく知る2名(家族以外)にオンラインで入力してもらう評価。推薦書ではなく評価書
調査書 高校が作成し厳封したもの(郵送)

1次選考が免除される場合

数学オリンピック、化学グランプリ、高校生科学技術チャレンジ(JSEC)、全国高校生マイプロジェクトアワード、未踏ジュニアなど、大学が指定するコンテストで所定の成績を収めた人は、申請すれば1次選考が免除されます。個人での受賞に限られ、申請できるのは1回だけです。対象のコンテストと成績は毎年見直されるので、最新の募集要項で確認してください。

ドイツ語・フランス語の能力評価

ドイツ語またはフランス語の力を評価してほしい場合は、その言語で書いた「入学後の構想」と語学試験の結果を追加で提出できます。2次選考に進むと、面接でもその言語で構想を話す時間が設けられます。

生成AIの扱い

募集要項では、生成AIを学びの補助として使うことは認めつつ、志望理由・学習計画・自己アピール・任意提出資料について、生成AIが作ったものは受験生自身の成果物とみなさないと明記しています。構成のアイデア出しや誤字の確認に使う程度にとどめ、文章は自分の言葉で書きましょう。

合格者数と倍率の推移(夏秋AO・4月入学)

募集要項に掲載されている「入試選考結果・統計」から、4月入学の数字を抜き出しました。倍率は志願者数を最終合格者数で割った値です。

入試 学部 志願者 1次合格 最終合格 倍率
2025夏秋AO 総合政策 852 276 143 約6.0倍
2025夏秋AO 環境情報 622 270 146 約4.3倍
2024夏秋AO 総合政策 742 273 126 約5.9倍
2024夏秋AO 環境情報 601 278 126 約4.8倍
2023夏秋AO 総合政策 700 249 120 約5.8倍
2023夏秋AO 環境情報 562 236 127 約4.4倍

志願者は3年続けて増えています。1次選考で3人に1人前後まで絞られ、面接に進んだ人のおよそ半分が最終合格する、という流れが毎年ほぼ同じです。まず書類で1次を通ることが最大の関門だと分かります。

合格に向けた対策のポイント

1. 「SFCで何を学びたいか」から逆算する

SFCは、受験生が自分なりの「問題意識」や「テーマ」を持って入学することを期待している、とはっきり打ち出しています。志望理由書で最初に固めるべきなのは、「どんな問題に取り組みたいのか」と「それがなぜ総合政策学部(または環境情報学部)でなければならないのか」です。

両学部はアプローチが違います。総合政策学部は社会の仕組みや政策から問題を解こうとし、環境情報学部は技術やデザイン、科学から新しい解決策をつくろうとします。同じテーマでも、どちらの学部の切り口で取り組みたいのかを自分の言葉で説明できるようにしましょう。

2. 2,000字の文章は「経験 → 問い → 大学での学び → 将来」の順で組み立てる

2,000字は、思いつくままに書くと散らかりやすい分量です。私たちは次の4つのブロックで組み立てることをすすめています。

  1. きっかけ:問題意識が生まれた具体的な経験(場面が目に浮かぶように書く)
  2. 問い:その経験から何が問題だと考えたか、これまで自分で何を調べ、何を試したか
  3. 入学後の学習計画:SFCのどの授業や研究会で、どんな方法を学び、何に取り組むか
  4. 将来像:その学びを使って、卒業後にどう社会に関わりたいか

③の学習計画は、大学のウェブサイトで授業や研究会を実際に調べて書くと、一気に説得力が増します。

3. 自由記述(A4・2枚)は「文章では伝わらないもの」に使う

自由記述は表現方法が自由なので、文章の繰り返しにせず、図や写真、制作物、活動の流れを示すタイムラインなど、見て分かる形で自分の取り組みを伝える場として使いましょう。2,000字の文章と役割を分けることがポイントです。

4. 活動報告と任意提出資料は「根拠」をそろえる

募集要項では、受賞歴や成果について、できるだけ任意提出資料で根拠を示すよう求めています。賞状や成果物、活動の記録、レポートとその評価などを早めに集めておきましょう。資料は重要な順に登録し、1点ごとに付ける200字の説明で「この資料から何が分かるのか」を伝えます。

大きな実績がなくても心配はいりません。SFCのAO入試は、中学卒業以降の学業と学業以外の取り組みを幅広く見る入試です。小さな活動でも、何を考えて動き、何を学んだかが示せれば評価の材料になります。

5. 志願者評価は早めに依頼する

2名の評価者が入力を終えないと出願が完了しません。担任の先生や、活動でお世話になった方など、あなたを客観的に見てきた人に、遅くとも夏休み前にはお願いしておきましょう。

6. 面接は「書類の深掘り」に備える

面接は1人30分程度で、提出書類をもとに質問されます。書類に書いた経験や計画について「なぜ」「具体的には」と何度聞かれても答えられるように準備しておくことが大切です。1次選考の合格発表から面接までは1〜2週間ほどしかないので、出願直後から模擬面接を始めるのがおすすめです。

準備のスケジュール例(高校3年生の夏秋AOを目指す場合)

時期 やること
高校2年の冬 自己分析と、問題意識・テーマの洗い出し。活動の記録を集め始める
高校3年の4〜5月 学部の決定。募集要項を読み込み、授業や研究会を調べる
5〜7月 志望理由書・自由記述の作成と書き直し。志願者評価の依頼
8月 オンライン申請、任意提出資料の仕上げ。調査書の発行を高校に依頼
9月 出願。並行して模擬面接を開始
10月 1次合格発表後、面接の最終対策

地方の受験生向けの奨学金

1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)以外の高校を卒業してAO入試で入学する人を対象に、「総環のすゝめ奨学金」(年額60万円、返還不要、最長4年間、若干名)があります。春AOまたは夏秋AOの合格者の中から選考されます。

参照した資料

入試の内容は年度ごとに変わります。出願の前に、必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。