筑波大学 アドミッションセンター入試(AC入試)

筑波大学のアドミッションセンター入試(AC入試) 日程・出願書類・対策

筑波大学のAC入試について、2027年度の学生募集要項をもとに募集学類・日程・出願資格・自己推薦書などの提出書類・面接と、過去3年の志願者・合格者数、自己推薦書と面接の対策をまとめました。

筑波大学のアドミッションセンター入試(AC入試)は、**書類選考(第1次)と面接・口述試験(第2次)**で合否が決まる自己推薦型の入試です。学力試験はなく、大学入学共通テストも必要ありません。大学がこの入試で求めているのは「問題解決能力を身につけた、活動的な人」です。自分で課題を見つけ、自ら学び、考え、取り組んできたことを、自己推薦書で示せるかどうかが合否を分けます。

この記事では、2026年に実施された令和9年度(2027年度)入試の学生募集要項をもとに、しくみと対策のポイントを整理します。2027年度の要項は2026年6月下旬に大学入試情報サイトで公表されました。次年度の要項も、公表されたら必ず最新版で日程や書類を確認してください。

入試の概要

項目 内容
第1次選考 提出書類による選考。特に自己推薦書(本文・活動経過報告書・添付資料)と志願理由書を重視
第2次選考 面接・口述試験(1人30分程度の個別。必要に応じて延長あり)
最終合否 第2次選考の結果に、提出書類の内容を含めて総合的に判定
出願できる数 1つの学類または専門学群のみ(出願後の変更は不可)
大学入学共通テスト 不要
検定料 17,000円(第1次選考で不合格の場合、申し出により第2次選考分を返還)

募集する学群・学類と人数(2027年度)

学群 学類 募集人員
人文・文化学群 人文学類 5名
人文・文化学群 比較文化学類 5名
人文・文化学群 日本語・日本文化学類 3名
生命環境学群 生物学類 3名
情報学群 情報科学類 8名
情報学群 情報メディア創成学類 5名
情報学群 知識情報・図書館学類 5名
体育専門学群 ― 8名
合計 42名

募集はこの8つに限られます。社会・国際学群や理工学群、医学群などはAC入試の対象外です。また、ふさわしい志願者がいないと判断された場合、募集人員どおりに合格者を出さないこともあると明記されています(欠員分は一般選抜の個別学力検査等に回されます)。

2027年度入試の日程

時期 内容
2026年6月下旬 学生募集要項の公表
7月1日〜7月23日 個別の入学資格審査の申請期間(該当者のみ)
7月30日 必着 受験上の合理的配慮の申請書類の郵送締切
8月6日 9:00〜9月2日 9:00 インターネット出願登録・検定料の払い込み
9月1日〜9月3日 必着 出願書類の郵送(持参不可)
10月1日 10:00 第1次選考結果発表
10月7日〜10月19日 第2次選考(面接・口述試験)。日付は学類ごとに異なる
11月2日 10:00 最終合格者発表
12月2日〜12月4日 入学手続

第2次選考の日付は次のとおりで、会場はいずれも筑波大学の3B棟です。

学群・学類 第2次選考日(2026年)
生物学類、情報メディア創成学類 10月7日
知識情報・図書館学類 10月8日
比較文化学類、情報科学類 10月9日
人文学類 10月13日
日本語・日本文化学類 10月15日
体育専門学群 10月19日

書類は郵送で9月3日必着です。期限を過ぎると理由を問わず受理されず、提出後の差し替えや追加もできません。第1次選考の発表から面接までは、学類によって6日〜18日しかありません。

出願資格

次のいずれかにあてはまれば出願できます。

既卒者や、高校卒業後に社会で活動してきた人も対象です。評定平均や英語資格のスコアなどの数値基準はありません。

なお、体育専門学群に出願する人は、合格したら入学することを確約できる人に限られます。

併願についての注意

提出書類

中心になるのは「自己推薦書」と「志願理由書」です。様式は大学入試情報サイトからダウンロードします。

書類 内容
自己推薦書(表紙) 所定の様式。本文のタイトルと、添付資料の名前を一覧で書く
活動経過報告書 所定の様式で1ページ。自己推薦書の要約(400字以内)、主な活動3つまでの期間・実施形態・共同研究か継続研究か、受けた指導や補助の内容
自己推薦書 本文 自分の問題解決能力を示す文章。A4サイズで様式・枚数は自由
添付資料 本文の根拠となる資料。A4サイズで様式・枚数は自由
志願理由書 所定の様式に、志願する理由を800字以内で書く
調査書 2026年4月以降に高校が作成し、厳封したもの
運動特技実績申告書・入学意思確認書 体育専門学群の志願者のみ。成績・記録を証明する資料を添付する
入学志願票・写真票など インターネット出願登録サイトから印刷する

自己推薦書づくりで守るべきルール

「自己推薦書の提出について」には、作り方の細かい指示があります。指示が守られていない書類は採点の対象から外される場合がある、と書かれているので、必ず原文を読んでください。主なものは次のとおりです。

活動経過報告書の「指導や補助の内容」の欄には、学校の先生や大学の先生からの指導、塾のアドバイス、保護者による添削なども含めて、誰から何の手助けを受けたかを具体的に書くことが求められています。

選考内容

第1次選考(書類)

提出書類で第1次選考の合格者が決まります。重視されるのは、自己推薦書(本文・活動経過報告書・添付資料)と志願理由書です。

AC入試全体の方針として、最近2年間、またはそれ以上の長い期間にわたる主体的で継続的な取り組みから問題解決能力を評価する、とされています。そのうえで、学類ごとのアドミッション・ポリシーとあわせて評価されます。たとえば生物学類は、自分で設定したテーマでの研究を、科学的・論理的にレポートにまとめて発表する力を評価するとしています。情報系の3学類は、自ら研究課題を設定し、その過程と結果を論理的に説明できることを重視しています。体育専門学群は、スポーツに関する科学的知識の活用や論理的思考力と、ひとつの運動種目での特に優れた技能や取り組みを評価するとしています。

第2次選考(面接・口述試験)

第1次選考の合格者に、1人30分程度の個別の面接・口述試験が行われます。主に聞かれるのは次の2点です。

最終合否は、この面接・口述試験の結果に提出書類の内容を含めて、総合的に判定されます。

志願者数・合格者数の推移

大学入試情報サイトの「入試結果」に掲載されている入学試験実施結果から、AC入試の数字を抜き出しました。倍率は志願者数を最終合格者数で割った値です(大学の資料にある「志願者倍率」は志願者数÷募集人員なので、数字が異なります)。2027年度入試の結果は、執筆時点ではまだ掲載されていません。

全体

入試年度 募集人員 志願者 第1次選考後の受験者 合格者 倍率
2026年度 42 343 69 36 約9.5倍
2025年度 43 361 72 39 約9.3倍
2024年度 45 318 67 47 約6.8倍

学類別(2026年度入試)

学類 募集人員 志願者 第1次選考後の受験者 合格者 倍率
人文学類 5 33 7 4 約8.3倍
比較文化学類 5 47 8 5 約9.4倍
日本語・日本文化学類 3 32 5 2 16.0倍
生物学類 3 33 5 2 16.5倍
情報科学類 8 49 11 7 7.0倍
情報メディア創成学類 5 28 4 3 約9.3倍
知識情報・図書館学類 5 27 7 5 5.4倍
体育専門学群 8 94 22 8 約11.8倍

ここから分かるのは次の2点です。

合格に向けた対策のポイント

1. 「2年以上続けてきた取り組み」を1本の軸にする

AC入試は、短期間の体験やイベント参加の数ではなく、長く続けてきた主体的な取り組みから問題解決能力を見る入試です。まず、高校生活の中で「自分で問いを立て、調べ、試し、改善してきたこと」を1つ選び、それを自己推薦書の軸にしましょう。研究や制作、地域での活動など、分野は問いません。活動経過報告書に書ける「主な活動」は3つまでなので、軸になる取り組みとそれを支える活動、という形で絞り込むと伝わりやすくなります。

2. 自己推薦書の本文は「問題 → 方法 → 結果 → 考察」で書く

本文は様式も枚数も自由です。自由だからこそ、読み手が迷わない構成が大切です。私たちは、研究レポートと同じ次の流れをすすめています。

  1. 問題意識:何を疑問に思い、なぜそれに取り組もうとしたのか
  2. 方法:何を調べ、どんな方法で試したのか(工夫した点・失敗して変えた点も)
  3. 結果:何が分かったのか、何ができたのか
  4. 考察と次の課題:結果から何を考え、まだ何が解決できていないのか

④の「まだ解決できていないこと」が、志願理由書の「筑波大学のこの学類で学びたい理由」につながると、書類全体に一本の筋が通ります。

3. 添付資料は「本文の主張の証拠」として選ぶ

添付資料は本文の根拠です。本文で「〜を明らかにした」と書いたなら、そのデータや記録を資料として付けます。資料ごとに名前を付けて整理し、表紙の「添付資料名」欄に書きます。スライドは使えないので、発表で使ったスライドがある場合は、内容を文章や図表に書き直す時間を見込んでおきましょう。

4. 志願理由書の800字は「なぜこの学類か」に絞る

AC入試で出願できるのは1つの学類だけです。志願理由書では、自己推薦書で示した問題意識を、その学類のどんな学びで深めたいのかを具体的に書きます。学類のアドミッション・ポリシーやカリキュラムを読み込み、自分の取り組みとの接点を言葉にしましょう。大学のアドミッションセンターには受験相談の窓口もあるので、学類選びに迷ったら活用してください。

5. 手助けを受けたことは正直に書く

活動経過報告書には、誰からどんな指導や補助を受けたかを書く欄があり、誤りがあると不利になる場合があるとされています。先生や大学の研究者からの指導、塾でのアドバイス、家族の添削なども含めて、正確に書きましょう。自分が担当したことと、手伝ってもらったことの線引きをはっきりさせることは、面接で自分の取り組みを説明するときの準備にもなります。

6. 面接は「書類の深掘り」と「学ぶ準備」の両方に備える

面接・口述試験では、自己推薦書の内容に加えて、その学類で学ぶための知識や学習能力も問われます。書類に書いた研究や活動について「なぜその方法なのか」「結果をどう解釈したのか」に答えられるようにすると同時に、志望分野の基礎的な知識も復習しておきましょう。第1次選考の発表から面接までは短いので、書類を郵送したらすぐに模擬面接を始めるのがおすすめです。

準備のスケジュール例(高校3年生で出願する場合)

時期 やること
高校1〜2年 軸になる取り組みを始め、続ける。活動の記録・データ・成果物を残しておく
高校2年の冬 志望する学類を絞り、アドミッション・ポリシーを読む。取り組みを振り返り、自己推薦書の材料を整理する
高校3年の4〜6月 自己推薦書本文の構成づくりと下書き。添付資料の選定
6月下旬〜7月 募集要項と「自己推薦書の提出について」を読み込む。本文・活動経過報告書・志願理由書の書き直し
8月 インターネット出願登録と検定料の払い込み。高校に調査書の発行を依頼し、書類を綴じて仕上げる
9月上旬 出願書類を郵送(9月3日必着)。模擬面接を始める
10月 第1次選考の発表後、面接・口述試験の最終対策

参照した資料

入試の内容は年度ごとに変わります。出願の前に、必ず大学が公表する最新の募集要項を確認してください。